
普段生活していると、「クレジットカードを〇〇に使いましたね」という警告が届いたことはないでしょうか。明らかに怪しいサイトに、心当たりが無いにも関わらず家族からそっと隠したことも。もうひとりの自分が買い物した事実に、AIはどうやって立ち向かっているのでしょうか。
インターネット取引のスピード感を阻害しない「成りすまし検知」
クレジットカードの番号を検索エンジンに記憶させてネットで買い物をするとき、カード情報を読み取られるリスクがあります。架空のクレジットカード使用履歴を警告してURLに誘導し、カード情報を盗む方法はフィッシング詐欺と呼ばれ、高齢者を中心に被害が無くなりません。また、カードを利用したショッピングサイト自体が架空のもので、そこで入力した番号が盗まれるということも。AI技術を使ってこれらの被害を防止する技術が「不正検知」です。
AIを活用した不正検知とは?
あらかじめ利用者の使用状況や履歴を登録しておき、明らかに連続性の無い高額な買い物が報告された際、自動抽出をします。それをもとにクレジットカード会社から利用者に問い合わせ、成りすましが確認されたらクレジットカードを止めるという対策が取られています。
AI×不正検知の凄いところは、この対応履歴を機会学習としてAIが覚えるところです。次の不正が行われたらAIが自動でブロックし、カード会社側に予防実績として注意を促すことも可能です。
次段階として不正検知サービスが目指しているのは、カード会社の人的リソースを使わないサービスの熟成です。フィッシング不正を検知すると、直接ユーザーに連絡するサービスです。これによってクレジットカード会社が負担していた、人的リソースを削減することが可能になります。
特殊詐欺を防止するATM不正検知
高齢者を標的にした特殊詐欺(振り込め詐欺)。2022年春の被害報告では、総被害額はなんと4億円に及んでいます。携帯電話を片手に振込をする高齢者に目視で注意していても限界があります。そこで、特殊詐欺を防止するATM不正検知の開発が本格化しています。
もちろん、ATMを使用するのは高齢者だけではありません。膨大な取引データのなかで、どうやって詐欺を防止するのか。ここにAIを活用したビックデータの活用があります。特殊詐欺の種類や金額、振込先などに関連性を割り出し、AIに覚えこませます。センシティブな技術のため非好評の部分も多いですが、特殊詐欺は電話をしながら振込をするもの。ATMの前で声音を察知する技術や、(電話で指示を受けるために)入力が不作為に遅くなるATMを抽出するものでしょうか。
わたしと、わたしの大切な家族、そして財産を護るAIサービスの更なる発展に期待です。