2026年のサッカーはAIでカタール以上に熱くなる!

4年に一度のサッカーワールドカップの開催中です。いつも初夏に開催しているイメージが強いですが、2022年は灼熱の国であるカタールで開催ということもあり、11月の開幕となりました。ある報道によると、カタールワールドカップの経済効果は200億ドル(約2兆7000億円)ともいわれています。それだけの規模ならば、もはや一介のスポーツでありません。たくさんのお金が動き、期待値が設定されます。「あの局面はこうした方がいいのではないか」が生まれる世界です。

将来の監督はAIに試合中のアドバイスを求める?

ゴースティングという言葉があります。ゴースティングとは、試合の局面において統計的に平均的なプレイを算出することです。

目の前に3人の守備とゴールキーパーがいて、3人を抜くシュートが決まりました。ワールドカップの優勝を決める決勝点です。シュート自慢の選手Aならば左足でトラップをして低弾道のシュートを選択します。快速自慢の選手Bならばサイドからゴールキーパーと1対1になる球を配給して貰い、落ち着いて左隅に押し込みます。

ゴースティングはこのうち「どちらがベストか」をAIで算出することができます。攻撃側の選手の特性から局面までの走行距離と蓄積疲労度。守備体系などをデータに結論を瞬時に出します。当然これは攻撃側だけではなく、守備側から見てもAIが守備体系や選手配置を算出します。まさに攻撃側のAIと守備側のAIの対決になるのです。

専門家によると、AIによりフットボールの監督が不要になることは考えられないにしろ、2030年代には試合の分析にゴースティングの機能が導入されるとのこと。いわゆる試合後の分析段階にてAIが活躍することになります。

だったらできる奴探してこいよ、のからAIを超える熱量へ

これは現場の監督や選手にはありがた迷惑なもの。誰もが理想形を持たず「異次元のプレー!」とされていたものが、AIによって“いまのプレーは〇〇が足りないので−5点で95点”とされるわけです。だったらできる奴探してこいよ、と苛立つことも多くなるでしょう。

一方で選手は「選ばれた者」と書きます。AIの定める理想を更に超えたプレーを見せようと努力を重ねるものも現れるでしょう。将棋の世界で大きな注目を集める藤井棋士は幼い頃よりAIとの対戦を重ね、AIの思考を超える指し手を身に着けていったとされます。

AIは世界中のクラブから公園でボールを蹴っている少年のデータを集め、スカウトの一助も行うことができます。まさにAIが将来有望な選手を連れてくる構図です。その一方でAIと、AIをコーチに迎えた監督に採点付けされた選手が、AIを超える力を身につける。これからのフットボールの、そしてスポーツの可能性が眠っています。我々はそんな将来図にワクワクしながら、日本時間では深夜となる最高峰の試合を観戦します。

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