読書の秋にお勧めの本をAIが選ぶ?

読書の秋です。本選びは時に自分の心を写し、時に知的探求心を満たします。ところで今、どのような本を読みたいか、誰しもがわかるように説明することはできるでしょうか。AIはぼんやりとした心のなかの本選びのニーズを分析し、お勧めの一冊を正確に提案します。

あなたはこの本を読みたいんですよね、と言われたときに認められるか

いわゆるAI選書サービスにおいて先頭を走るのはAmazon社です。同社は本を読みたいと考えるユーザーの属性をAIで分析し、提案します。ただ街中の書店のように膨大な本を並べて、立ち読みのうえで購入して貰う形はAmazonをはじめとしたインターネットサービスに似合いません。「この人ならばこの分野に興味を持つだろう」というアプローチが大切です。Amazonは、このアプローチ力において、他社の追随を許さない高い技術を持っているといえます。あなたはこの本を読みたいんですよね、と言われたときに認められるでしょうか。

Amazonはどのようにしてユーザーの属性を分析するのか

公開されているものではないですが、Amazonがユーザーに推奨本の提案をするときの基準は2つといわれています。

ひとつは過去に購入した本のラインナップです。同じ作者、同じジャンルを提案します。次に詳細を閲覧したけれど購入まで至らなかった本です。Amazonの該当ページを見て本を買わなかったのは気にいらなかっただけではなく、購入しようと思っていたけれど余裕資金が無かった、購入判断するまでの時間が足りなかったという主体的な理由から、次の予定が詰まっていたなどの可能性まで考えられます。もう一度アプローチをすれば、短時間の検討で購入にいたることは十分に考えられます。

もう1つは本以外の購入履歴です。Amazonはありとあらゆるモノを販売しており、購入履歴とアプローチ履歴から、本ならばどのような購買行動に至るかを分析することは可能です。たとえば包丁を購入し、野菜の皮をむくピーラーを購入した時期が真夏だった場合、「夏のお勧め料理」というタイトルならば十分に関心を引く可能性が高いといえるでしょう。

勇敢にアメリカを牽引したセオドア・ルーズベルトは、「私は、自分がこれまで読んだものの一部である」と言ったとされています。絶妙な心理へのアクセスである読書は、積み重なると大事な人格形成にも繋がります。2022年の読書の秋は、いずれ自分の人格形成に繋がるかもしれないと思いながら、AIに読むべき一冊を提案して貰うことで、深層心理に軽く触れて貰うことも、夜長の過ごし方として一興かもしれませんね。

関連記事

ページ上部へ戻る